4: ◆mqlRkew9nI/5[saga]
2017/04/14(金) 20:16:24.81 ID:gbQcrLF00
奈緒「付き合ってられるか! あたし、もう行くからな!」
男に背を向け、歩き出すあたし。……だが男は諦めていなかった。
P「あ、アイドルになれば、可愛い格好もできますよ!」
奈緒「!」
その言葉に、またしても揺れるあたしの心。気が付けば歩みはその場で止まっていた。
奈緒(可愛い……格好? え、それって、テレビで見るような……ああいう服、着られたりする感じ? あ、あたしに似合うかな………………じゃなくて!)
奈緒「いや……べ、べつに可愛いカッコとか……興味ねぇし……き、興味ねぇから! ホントだから!」
P「あとサイリウムコーデも着られますよ!」
奈緒「それは絶対嘘だろ⁉ あんたの事務所はプリ○ラにあんのかよ!」
P「と、とにかく話だけでも聞いてください! お願いします!」
男があたしに頭を下げてくる。
奈緒(……。…………ここまでされると、あれじゃないか? 話聞くくらいなら、してやるべきじゃないか? だってほら、可哀想じゃん。こいつ、頭まで下げてるんだし、このままどっか行くのは人としてさ。けっして、あたしがアイドルに興味があるとかじゃなく)
奈緒「はぁ……仕方ないなぁ。友達も来ないし、話ぐらい聞いてやるよ。いや、関心とかないけどさ。これはその……人助けだから!」
P「ありがとうございます! では……」
P「へい、タクシー!」
奈緒「なにタクシー停めてんの、あんた⁉」
P「話をするなら、うちの事務所に来てもらった方が早いから」
奈緒「ざけんな! 友達と待ち合わせてるって言っただろ! そんなとこまで行けるか!」
P「じゃあ、そっちはキャンセルということにしてもらえませんか?」
奈緒「なんでだよ! そんなの――」
友達「お待たせ―、奈緒」
奈緒「なんでこのタイミングで来た⁉」
友達「へ? 何が? ところでその人、誰?」
P「実はかくかくしかじかで――」
友達「え、奈緒をアイドルに⁉ すごいじゃん! 映画なんていいから行ってきなよ、奈緒!」
奈緒「いや、いいからじゃなくて! あたし、今日は映画観に来たんだけど⁉」
友達「私、応援してるよ!」
奈緒「なんか応援された! あたしやる気ないのに!」
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