過去ログ - 魔術士オーフェン無謀編・死にたい奴から前に出ろ!
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23:1[saga]
2017/04/15(土) 02:53:52.66 ID:Ip5evVVC0

「あんだよ?」

「あんたの足元、他の場所と比べて新しいと思わない?」

 言われてみれば、とオーフェンは頷いた。

 丁度、オーフェンが立っている場所を中心とした円状に、石畳の色合いが違っている。
 周りにある大勢の靴底で均されたものとは違い、どこかけばりが残っていた。 

 よく見れば、周囲には似たような痕跡がいくつもある。オーフェンはそれらを眺めてから、ぽつりと呟いた。

「大規模な地質調査でもしたのか?」

「あんたが魔術で爆破した痕でしょーが! 何がお客さんが少なくなってる、よ!
 地上げ屋より性質が悪いわ! 思いっきりマッチポンプじゃない!」

「いやでも、だったら一言くらい言ってくれれば」

「ぽんぽん破壊光線出して人を吹っ飛ばしてるようなチンピラに、
 "あんたが出て行ってくれた方がよっぽど夢の達成に近づける"なんて言えるわけないでしょお!?」

 絶叫するコンスタンスを、何とか取り成そうとオーフェンが両手をあげる、と――

「うわーはははは! 噂を聞いたぞ極悪借金取り! 貴様、金を貸す相手を探しているそーではないか!
 地べたを這いずり俺様の靴を舐めつつ懇願してみれば、この究極英雄様が借りてやらんことも――」

「我は放つ光の白刃!」

 背後から聞こえた声に、オーフェンは振り向きもしなかった。ほぼ反射的に構成を編み上げ、魔術で爆撃する。

 轟音と振動、光と熱。そんなものの混合が収まった後には、破壊されつくした石畳だけが残されていた。
 それ以外にはなにもない。空の彼方に、何か人影の様なものが遠ざかっていくのが見えたような気もしたが。

 オーフェンはそれを確認すると、改めてコンスタンスに向き直った。何の気なしに欠伸などしつつ、訊ねる。

「――で、なんの話だったっけ?」

「……いや、もういいわ……無駄そうだし」

 肩を落としたコンスタンスは、疲れた声音でそう呟くのだった。



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