過去ログ - 多田李衣菜「星群と三日月」 -SS速報VIP

過去ログ - 多田李衣菜「星群と三日月」

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12: ◆uOvLrY0GJA[saga]
2017/04/16(日) 01:51:11.85 ID:IrCEgsIo0

「別に、私みたいにじゃなくてもいいんじゃないか？」

「……」

13: ◆uOvLrY0GJA[saga]
2017/04/16(日) 01:52:54.95 ID:IrCEgsIo0

「……も、もしかしてこの間の私のライブに来てくれた時か？」

「あ、それは……うん。でもどうして……？」

14: ◆uOvLrY0GJA[saga]
2017/04/16(日) 01:54:26.52 ID:IrCEgsIo0

「私は、こんな感じだから、はじめましての人には結構びっくりされたり……それに、その、好きじゃないって人も居るんだ」

「輝子ちゃん……それは」

以下略

15: ◆uOvLrY0GJA[saga]
2017/04/16(日) 01:56:29.88 ID:IrCEgsIo0

　－－曲目は『Lunatic Show』

「あの曲はな、元々私と、白坂小梅ちゃんの曲なんだ。……あのライブでは一人だったけど」

以下略

16: ◆uOvLrY0GJA[saga]
2017/04/16(日) 01:58:43.18 ID:IrCEgsIo0

－－－三週間後・事務所－－－

　優しい言葉をかけてもらって、それでおしまいにはならない。

以下略

17: ◆uOvLrY0GJA[saga]
2017/04/16(日) 02:00:49.09 ID:IrCEgsIo0

　最初に聴こえる楽器の音。これをもうどのくらい聴いたんだろう。エレクトーンとドラムとギターが響いて、そうしてついに歌詞が流れ出る。音源と一緒に渡された歌詞カードを読みながらの音楽鑑賞。

　始まりは夕焼け。誰かと一緒に笑って歩く。夕暮れの空みたいにどこまでも広がる景色の中を、前に前にと突き進む。日が暮れて夜になったら、闇を切り裂いて全てを輝かせる。
　……だけど。

以下略

18: ◆uOvLrY0GJA[saga]
2017/04/16(日) 02:12:35.76 ID:IrCEgsIo0

－－－五週間後・ライブ会場－－－

ライブまでの時間はあっという間に過ぎていった、なんていったらありきたりだけど、レッスンに他のお仕事に学校に……それから収録にと、やることが更に増えて本当にあっという間だった。時間が過ぎるのって早いなぁ……いや、本当。

以下略

19: ◆uOvLrY0GJA[saga]
2017/04/16(日) 02:14:03.06 ID:IrCEgsIo0

－－－－－－－－

　舞台袖からステージに上がる。さっきまでの熱気が残った会場は、暗転していてまだ暗い。
　ステージの真ん中に立つ。この暗転が明ければそれが始まりの合図で、もう逃げ場なんてどこにもない。

以下略

20: ◆uOvLrY0GJA[saga]
2017/04/16(日) 02:19:03.88 ID:IrCEgsIo0

『どこまでも広がるグラデーションゆっくりとオレンジが燃える』

以下略

21: ◆uOvLrY0GJA[saga]
2017/04/16(日) 02:23:56.92 ID:IrCEgsIo0

　ちゃんと……ちゃんと最後まで、歌い切れた。歌だけじゃなくてダンスも……ううん、それはまだ後。今は、

「ねえみんな！　みんなは『夢』とか夢中になれるような『好きなこと』ってある？」

以下略

22: ◆uOvLrY0GJA[saga]
2017/04/16(日) 02:24:51.53 ID:IrCEgsIo0

　ああ、駄目だ。お客さんの反応が気になるのに、頭がぼーっとしちゃって全然入ってこない。それでもいいたいことは、いえた。全部、一つ残さず。
　それなら、この初ステージはきっと大成功だって後から思い返せるはず。

　だから、最後は笑って……って

以下略

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