過去ログ - 多田李衣菜「星群と三日月」 -SS速報VIP

過去ログ - 多田李衣菜「星群と三日月」

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5: ◆uOvLrY0GJA[saga]
2017/04/16(日) 01:34:48.55 ID:IrCEgsIo0
－－－－－－－－

　私の歌はどうやらまだ制作段階らしく、曲はあるけど歌詞がない。それにタイトルも。
　また変更することがあるかもしれませんが、という前置きと一緒に渡してもらった音源を自前の音楽プレイヤーに転送して、再生ボタン。
　最初は静かなエレクトーンをベースに、後ろに流れるカッティングギター……だよね？

以下略

6: ◆uOvLrY0GJA[saga]
2017/04/16(日) 01:38:09.51 ID:IrCEgsIo0
－－－－－－－－

　フェスに出演するにあたって見学をしてはどうでしょうか？
　プロデューサーの言葉だ。
　たしかに私にはライブの経験がほとんどない。一応、他のアイドルの曲を一緒に歌わせてもらったことはあるけど、そんなに回数は多くないし、あの時は初めてで何が何やらの有り様だった。

以下略

7: ◆uOvLrY0GJA[saga]
2017/04/16(日) 01:39:28.01 ID:IrCEgsIo0
「お前ら！！　狂気のパレードによく来たなあ！！」

　その声と一緒にバンドの演奏が始まって、さっきよりも更に大きな叫び声が生まれる。気が付けばいつの間にか舞台の真ん中には一つの人影が立っていた。
　カッ、とスポットライトが作る光を浴びると、そこに居たのは白い髪の女の子。
　女の子は叫ぶ。女の子は歌う。

以下略

8: ◆uOvLrY0GJA[saga]
2017/04/16(日) 01:40:44.62 ID:IrCEgsIo0
－－－事務所－－－

　最近ようやくテレビに出たり歌をもらえるようにはなったけど、私はまだまだ駆け出しで、間違っても売れっ子だなんていえない。だからこそ、数少ない予定に穴をあけるなんてもっての外だ。

「合同レッスン……ですか？」

以下略

9: ◆uOvLrY0GJA[saga]
2017/04/16(日) 01:41:58.10 ID:IrCEgsIo0
－－－－－－－－

「はあ、はあ、はあ……っ！」

　息切れの音がやけに耳につく。自分で出してるくせに、まるで責められているみたいに聞こえて、それが嫌で嫌で仕方ない。

以下略

10: ◆uOvLrY0GJA[saga]
2017/04/16(日) 01:48:00.74 ID:IrCEgsIo0
　いつの間にか輝子ちゃんは四つん這いの姿勢で私のそばに来ていて、その体勢のまま手をふらふらと振っていた。
　近くで見るととても小さく華奢で、すごく可愛い感じの女の子。ライブの時の荒々しさからは全然想像できない。

　……って、そうだ。ライブの感想伝えなきゃ。楽屋に挨拶、行けなかったし。

以下略

11: ◆uOvLrY0GJA[saga]
2017/04/16(日) 01:49:41.54 ID:IrCEgsIo0

　輝子ちゃんは、どっちも私といった。
　あの激しい輝子ちゃんも、今の優しい輝子ちゃんも、どっちも一人の女の子。自然に歌えば、お客さんを、会場を盛り上げられる。

「ほら、私ってまだ新人だし。それに本番までそんなに時間があるわけでもないでしょ？」

以下略

12: ◆uOvLrY0GJA[saga]
2017/04/16(日) 01:51:11.85 ID:IrCEgsIo0

「別に、私みたいにじゃなくてもいいんじゃないか？」

「……」

以下略

13: ◆uOvLrY0GJA[saga]
2017/04/16(日) 01:52:54.95 ID:IrCEgsIo0

「……も、もしかしてこの間の私のライブに来てくれた時か？」

「あ、それは……うん。でもどうして……？」

以下略

14: ◆uOvLrY0GJA[saga]
2017/04/16(日) 01:54:26.52 ID:IrCEgsIo0

「私は、こんな感じだから、はじめましての人には結構びっくりされたり……それに、その、好きじゃないって人も居るんだ」

「輝子ちゃん……それは」

以下略

15: ◆uOvLrY0GJA[saga]
2017/04/16(日) 01:56:29.88 ID:IrCEgsIo0

　－－曲目は『Lunatic Show』

「あの曲はな、元々私と、白坂小梅ちゃんの曲なんだ。……あのライブでは一人だったけど」

以下略

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