過去ログ - 【咲-Saki-】京太郎「そんなオカルトありえません」【SS】
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3:名無しNIPPER[sage]
2017/04/18(火) 20:52:08.35 ID:Th9cVzA40
暫くして子供達がいなくなった後、ホクホク顔で戦利品を勘定する情報屋さんに、私は近寄りました

「おはようございます」

私が挨拶をすると、彼はこちらに目を向け「おはよう」と返します

私が彼に、家で作ったおにぎりを渡すと、彼は勘定を止め、諸手を挙げて喜び、おにぎりを食べ始めました

私はスタペリアちゃんを抱きかかえ、頭を撫でながら、むしゃむしゃとおにぎりを食べる情報屋さんを眺めます

彼の姿は、山にこもり創作活動に励む芸術家にも、鞍馬山に住む天狗にも、公園に住むホームレスにも見えます

おにぎりを食べ終わり指にくっついた米粒一つまでペロリと舐めとった彼は、キセルを取り出し食後の一服します

「久々にうまいもん食えた」とご満悦の情報屋さん。しかし私はなにも、無償の奉仕をしているわけではありません

もちろん、彼から何か面白い情報を教えてもらうためにおにぎりを差し出したのです

一服が終わった情報屋さんは、顎髭を撫でながら思案しています

そしてふと思い出したように、私にこう告げました

「そういえば、迷宮堂に面白い品が入荷したらしい」

「面白い品?」

迷宮堂というのは、裏通りある小さな骨董品屋さんです

よくわからない謎の品物が幾つも置いてあり、眺めているだけでワクワクします

私の周りの面白い事は、大抵は麻雀部の先輩方と情報屋さんと迷宮堂で成り立っているのです

「うむ。なんでもーー大海賊アルデンテの遺産の場所を記した宝の地図らしい」

「大海賊アルデンテ、ですか?」

情報屋さん曰く、大海賊アルデンテというのは明治時代文明開化の頃、オホーツク海を縄張りにした義賊らしいです

クリオネを模した海賊旗を掲げ、海外との密輸品を運ぶ北海道豪商の船を襲い、奪った金品は貧しい者たちへと与えたとか

その彼は晩年姿を眩まし、妻であるペペロンチーノさんと共に、秘密の場所で余生を過ごしたそうです

その場所は今も知られておらず、そこには彼と妻の遺体と共に大量の財宝が隠されているとか

実にワクワクするお話です

その地図を手に入れ、成香先輩と共に宝探しに行きましょう

私は手を振るスタペリアちゃんと哀愁漂うマンドリンの音色に見送られ、公園を後にしました




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