過去ログ - 白菊ほたる「諦め切れないはずの夢」
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5: ◆P4gW9oKees[saga]
2017/04/19(水) 01:56:18.39 ID:Gvx3iZo50
それ以降、ほたるは少しずつではあるが前向きになっていった。
「プロデューサーさん。私、最近思うようになったんです。今まで私が不幸だったのって、プロデューサーさんに出会うために幸運を使い果たしたんじゃないかって」
「そうか。それじゃあ、これからその分の幸運をいっぱい取り戻さなきゃな!」
俺は、ほたるの期待に応えるため、熱心に営業に回った。
今でもオーディションなどは、不運によって受からないことが度々あるが、それなら直接仕事をとってくればいい。
最近では、ほたるの悪評よりもその実力が評価されることが多く、そこそこ大きな仕事をとってくることも難しくはなくなってきていた。
それでもなお、ほたるのことを偏見の目で見るスタッフは少なくない。
今日も、営業で向かった出版社でほたるの名前を出したとたんに、やれ「疫病神」だの、やれ「不幸がうつる」だのと散々言われてしまった。
俺は、それが自分のことのように悲しかった。
こういう嫌なことがあった日は、決まって自宅で酒を飲み、すべてを忘れることにしている。
しかし、今日は残業があり事務所に遅くまで残らなければいけない。
最悪泊まりになる可能性もある。
俺は少し迷ったが、事務所の近くにあるコンビニに行くことにした。
もう夜遅く、他の社員や事務員は帰宅してしまったため、事務所にはもう俺しか残ってない。
酒を飲んで少し仮眠をとってスッキリしよう。
自分にそう言い聞かせながら事務所に戻り、缶を開けて酒を飲む。
チビチビと飲んでいるうちに、俺の意識は段々と闇に飲まれていった。
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