過去ログ - 鷺沢文香は、茜色に染まる -SS速報VIP

過去ログ - 鷺沢文香は、茜色に染まる

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79: ◆7uGVQpzDpA[saga]
2017/04/23(日) 14:58:37.70 ID:WnTIuVfMo

水が、堕ちる。

何かが破裂したみたいな水音が、暗闇に響いた。

80: ◆7uGVQpzDpA[saga]
2017/04/23(日) 14:59:35.44 ID:WnTIuVfMo
茜「文香、ちゃん」

日野茜は、私の名前を呼んだ。

81: ◆7uGVQpzDpA[saga]
2017/04/23(日) 15:00:49.03 ID:WnTIuVfMo
28

２人きりで話がしたい。

そう言って、私はホテルのラウンジの隅で、志希さんと相対した。

82: ◆7uGVQpzDpA[saga]
2017/04/23(日) 15:01:25.93 ID:WnTIuVfMo

志希「"キミがあの香水を無理矢理にでも奪っていれば"――ねえ？」

全てを見透かすような真っ黒な瞳に、私は飲まれていく。

83: ◆7uGVQpzDpA[saga]
2017/04/23(日) 15:03:03.46 ID:WnTIuVfMo
志希「キミはそもそも、あの香水の効用について半信半疑だった。だから、隣で日野茜が香水を使おうとしても本気で止めようとはしなかった」

志希「むしろ、本当に効果があるのかどうか、確かめたかったんじゃないかな」

文香「そんなことは……」

以下略

84: ◆7uGVQpzDpA[saga]
2017/04/23(日) 15:04:04.74 ID:WnTIuVfMo
志希「あなたは聡い」

志希「聡いがゆえに、想像し、疑念を抱く」

志希「今、抱いている気持ちが永遠に続いていくのかって」

以下略

85: ◆7uGVQpzDpA[saga]
2017/04/23(日) 15:05:32.80 ID:WnTIuVfMo
ああ。

これが美しい物語だったならば、私はあなたを看破してみせる。

私は永遠に茜さんを愛することができる、と。

以下略

86: ◆7uGVQpzDpA[saga]
2017/04/23(日) 15:06:48.57 ID:WnTIuVfMo
志希「今を生きることができない、可哀相なキミに」

志希さんは、ポケットから深紅の小瓶を取り出した。

以下略

87: ◆7uGVQpzDpA[saga]
2017/04/23(日) 15:07:47.99 ID:WnTIuVfMo
私は、目の前の深紅の小瓶を手に取った。

迷いはない。

あなたがそうなってしまったように、

以下略

88: ◆7uGVQpzDpA[saga]
2017/04/23(日) 15:08:46.64 ID:WnTIuVfMo
私は、トワレを振りかけた。

その瞬間、

清浄なる世界が、霞がかったようになって、

以下略

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