過去ログ - 鷺沢文香「過去と回顧とこれからと」
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38: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2017/04/26(水) 23:53:02.44 ID:VCOLUwrw0
・・・
この後、ちひろさんはやることがあると言い、帰って行った。俺は、大きな怪我は鼻の骨折くらいで、その日のうちに退院して家に帰ることが出来た。出社は明日にするよう言われた。
翌日。目の上の腫れは少し引いたし、口の中も少ししみる程度。まだボコボコだが、人前になんとか出せる顔になっていた。
「おはようございまーす…。」
たった一日、間を開けただけなのに、久方ぶりの出勤に感じられた。
「あ、おはようございま…」
鷺沢さんは、いつもの朝の時間と変わらず、コーヒーを飲もうとしていた。変わらない鷺沢さんの姿が、ここまで安心できるとは。
「…プロデューサーさん!?」
まあ俺のせいでいつものようにはなくなってしまったが。鷺沢さんはコーヒーカップを乱暴に置くと、俺に駆け寄ってきた。
「その怪我は…昨日は体調不良でお休みなさったのでは…!」
ちひろさんはそういう風に誤魔化していたのか。微妙に乗っかりにくい。
…嘘なら、とことん吐こう。
「…鷺沢さんには本当のこと言っておくと、チンピラに絡まれたんだよ。でも、余り大事にしたくなくてさ、ちひろさんには電話で体調不良って事に…」
「そう…ですか…………あの、大丈夫ですか…?かなり酷いように…」
「見た目よりは痛くないから、心配しないで。」
「……と、言われましても…。」
鷺沢さんは、本気で心配してくれているようだ。さっきから泣き出しそうな目で俺の事を見てくれている。こんな鷺沢さんを騙すのは心苦しい。心が握り潰されそうだ。
「被害届などは…」
「もう出したよ。」
「…その…。」
でも、騙し続けなくてはならない。決めたのは自分だ。鷺沢さんに、一切の心配もかけさせないためにも。
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