過去ログ - 安部菜々「little braver」
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名無しNIPPER
[sage saga]
2017/04/25(火) 00:34:26.79 ID:XBRjetAj0
「……あれ?」
聞こえるはずのない拍手。
狭い空間の中で、その音の発信源は、すぐに見つかりました。
以下略
5
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2017/04/25(火) 00:35:20.10 ID:XBRjetAj0
ステージを降りてプロデューサーさんに近づくと、ナナはプロデューサーさんに向けて頭を下げました。
「すみません。ミーティング、サボっちゃいました」
「別にいいだろ、特別なにか伝達があるわけでもないし……みくは心配してたから、あとでお茶でもいれてやってくれ」
「あはは……ちゃんと謝っておかないといけませんね」
以下略
6
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2017/04/25(火) 00:37:47.23 ID:XBRjetAj0
先に動いたのは、プロデューサーさんの方でした。
「また、不安になった?」
直球でした。やっぱりナナ、この人には隠し事なんてできないみたいです。
以下略
7
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2017/04/25(火) 00:40:17.98 ID:XBRjetAj0
「今、こうしてファンの皆さんと、プロデューサーさんと一緒にウサミン星人として歌える喜びを、知ってしまいましたから……もしタイムリープとかしちゃっても、昔みたいにナナ以外誰も知らないウサミン星人として歌うなんて……怖くてできないなって。あはは……」
人生崖っぷち、お先真っ暗だと思っていたあの頃。
夢は遠くて。まるでナナ自身が、夢から遠ざかっていくみたいで。
そんな未来の見えない暗闇の中で、毎日が不安でいっぱいだったナナを見つけてくれたのが、プロデューサーさんでした。
以下略
8
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2017/04/25(火) 00:41:11.73 ID:XBRjetAj0
「突然ですけど、プロデューサーさんは運命の出会いって信じてますか?」
「運命の出会い? そうだな……どっちかというと信じてる方かな。ナナは?」
「ナナは、信じてるんです。だって、きっと私たちは特別だから」
「特別?」
以下略
9
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2017/04/25(火) 00:41:42.08 ID:XBRjetAj0
「ホントはですね。ホントは……あの頃のナナ、結構限界だったんです」
幼い日々に描いた夢。
宇宙からやってきて、歌って踊れる十七歳のお姫様。
月の向こう側に光る、ウサミン星……勝手に宇宙に描き足した、ナナしか知らない星。
以下略
10
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2017/04/25(火) 00:42:09.05 ID:XBRjetAj0
「諦めかけてた夢を思い出させてくれたのは、プロデューサーさんなんです。プロデューサーさんが、面白いって……ウサミン星はあるんだって言ってくれたから、今のナナがあるんです。あの日、ナナは生まれ変わったんです」
そう。それはまるで……二回目の誕生日のようでした。
アイドル・ナナとして、プロデューサーさんと出会った特別な記念日。
以下略
11
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2017/04/25(火) 00:42:41.97 ID:XBRjetAj0
「ナナには、プロデューサーさんがナナのどこを気に入って声をかけてくれたのかはわかりません。でも、それはなんだっていいんです。プロデューサーさんがナナを選んでくれた。魔法をかけてくれたから、ナナは憧れのアイドルになれたんです。その事実があれば、ナナは戦えます」
今だって、不安がないわけじゃない。ライブの前には、手が震える。
眠れない夜もある。明日には、ガタがきてアイドルのできない体になっているかもしれない。
今の幸せな毎日は夢で。目が覚めたら、またこの暗闇に戻ってしまうのかもしれない。
以下略
12
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2017/04/25(火) 00:43:09.53 ID:XBRjetAj0
差し出したナナの手を、プロデューサーさんの大きな手のひらが包み込みました。
あったかい手。ナナに勇気をくれる、背中を押してくれる手。
この人が手を握って隣を歩いてくれるなら……きっと、大丈夫。
手の震えも、自然と収まっていました。
以下略
13
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/04/25(火) 00:44:06.35 ID:XBRjetAj0
「俺が……」
「ふえっ……」
ナナの手が、一段強く、ぎゅっ……と握られました。
歩きながら、プロデューサーさんの横顔を見つめます。
以下略
14
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/04/25(火) 00:44:43.49 ID:XBRjetAj0
プロデューサーさんが、足を止めます。自然と、ナナも一緒に止まりました。
「だからきっと、俺たち二人は特別だったんだ」
ちらり、と覗き見たプロデューサーさんは、顔を上げ一点を見つめていました。
以下略
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