過去ログ - 速水奏「全部、貴方のせいにしちゃいましょう。」
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5:znAUHOH90 4[sage]
2017/04/26(水) 01:14:46.80 ID:kIea3Dc10

「もう少し斜め上向いて? 目だけで……あ、そうそう」

ひんやりした指の感触が目元を押さえてくる。
女の指というのは、どうしてこうもしっとりしてて、安心感があるのだろう。
この指に触れられるだけで、男はすべてが報われたような気分にすらなる。
理屈じゃなく、そういうふうにできているんだろうか。

「あ、あったあった……どうしようかしら。」
「どうしようかしら、って、取ってくれよ。」
「濡れたティッシュか綿棒でもあれば良いのだけど。」
「ええ、用意しておいてくれよ……」
「うっかりしてたわね。」

不測の事態でもクールなのはお前の長所だが、こうしている間にも刻一刻と眼球の水分は蒸発しているんだ。あまり猶予はないぜ。

「デスクのティッシュ洗面台に行って濡らしてきてくんない。この体勢で俺頑張ってるから。」
「残念ながらそれは極めて困難よ。」
「なに……!?」
「一度、貴方の上から立たなきゃいけなくなるでしょう。」
「それがどうした」
「もう、一瞬でも貴方と離れたくなくて……」
「いま、とぼけたこというな! 乾く! ドライなんだ、目玉が!」
「せっかくウェットな言い回しにしてみたのに。」
「後にしなさい!」

くすくすと面白そうなところ悪いがな、目を見開いたままなんだ、俺は。
二分まばたき無し、きついぜ? 結構。

「仕方ないわね。そこまでいうなら。」

おもむろに奏が口を結ぶ。
ちゅく、と音がした気がした。

「え、ちょ、おい」
「じっとしてて……」



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