過去ログ - 【モバマス】岡崎泰葉「あなたが示してくれたもの」
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14: ◆TZIp3n.8lc[saga]
2017/04/29(土) 10:37:20.87 ID:++9plA0Wo
 ルームランナーがペースを落としていき、やがて停止する。決めていた距離を走りきったのだけど、私はまだ物足りなかった。
 もう少し続けようかとも考えたけれど、私は他のメニューをすることにした。体力維持と体型を崩さないことが目的だから、必要以上に走るのは逆効果になる。
 スポーツをするために身体を鍛えているわけではないから、他のメニューも簡単なものだ。考え事をする間もなく終わり、クールダウンしてから汗を流した。

 着替えをして更衣室を出ると、エレベーター前の廊下で電話をしている人がいた。私が足を止めると、彼女も顔をこちらに向ける。
 私のマネージャーさんだった。
 彼女が会釈をして、一言二言電話の向こうの相手に言って、携帯を閉じた。
 会社から与えられる二つ折りの携帯電話だ。もちろん、私用の電話も持っているのだろうけど、私が電話番号を知っているのは社用の方だけだった。

「お疲れ様です」

 挨拶を交わし、エレベーターに乗り込む。彼女が押したのはモデル部門のあるフロアだった。

「上から話があるらしいので、お時間いただいてもよろしいですか?」
「はい」

 それくらいならわざわざ待っていてくれなくても、メールしてくれればよかったのに、と思う。
 彼女は今忙しいはずだ。私の他にデビューから見ていて最近売れ出した子を一人と、春からもう一人を見ている。
 それ以上の会話もなくエレベーターが着いた。通された先には小会議室だ。
 白いキャスター付きの長テーブルが四つくっつけられて、椅子がそれを囲むように並べられている。
 中で待っていたのはモデル部門の現場でのトップの人だった。彼より上になると役員になる。そっちは私も会ったことはない。
 事務的な挨拶をして、マネージャーさんが部屋を出て行く。


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