過去ログ - 【モバマス】岡崎泰葉「あなたが示してくれたもの」
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5: ◆TZIp3n.8lc[saga]
2017/04/29(土) 10:29:29.32 ID:++9plA0Wo
「私が、ですか?」

 思わず声を荒げそうになる。それは、あなたが、なのではないか、と言い返したくなるような表情だった。
 いつもしているように笑みを作る。

「そんなことありませんよ。お仕事はいつも楽しくやらせてもらっています」

 私の心情など声にはおくびにも出さない。
 それなのに、プロデューサーさんは最初から嘘と決めつけているように、本当にそうか、と重ねるように訊ねてくる。
 私の作った表情なんてありもしないように無視するなんて、失礼じゃないだろうか。

 アイドル部門に比べ、モデル部門は活動が芳しくない。
 だからといってアイドル部門の人間が何でも言っていいわけではないだろう。
 私はアイドル部門の子に比べれば華がないのかもしれない。プロデューサーさんから見れば何か物足りなく感じるのかもしれない。
 でも、それならはっきり言えばいいだろう。楽しいとか、楽しくないとか、そんなことが撮影に関係とでもいうのか。

「お仕事はカンペキにこなしたはずです。……何が言いたいんですか?」

 文句があるならはっきり言えばいいだろう。見下したいならそうすればいい。
 言えないんでしょう? と私はプロデューサーさんに向けて小さく笑みを作る。
 お仕事が完璧だったのは私が一番よくわかっている。そしてプロデューサーさんもそれがわかっているから、迂遠な言い方しかできないのだ。
 さあ、いくらでもどうぞ、と身構えた私にかけられた言葉は意外なものだった。


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