過去ログ - ヴィーネ「悪魔的行為」ガヴリール「お前には無理」
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6:名無しNIPPER[saga]
2017/04/30(日) 00:10:49.91 ID:kcOLXSKS0
 下界にやってきもう1年以上経つ。その間に私は、ガヴと友情を築いてきたつもりだった。天使と悪魔という立場の違いはあったけれど、それでも私たちは友だちだった。そう、信じていた。

 でもその実、どうだろうか。中身はそんな綺麗なものではなかったのかもしれない。私はあの子を利用して、自分に依存させて、堕落させていたのではないか。思い返せば、海に行った時だってハロウィンの時だって、あの子は乗り気じゃなかった。私が無理矢理、やらせていただけなんじゃないか。

ラフィ「ガヴ……」
以下略



7:名無しNIPPER[saga]
2017/04/30(日) 00:16:52.00 ID:kcOLXSKS0
 二人で過ごす時間が好きだった。

 なのに全部、まやかしだったのだろうか。私が一方的に想っていただけだったのだろうか。

 胸が苦しい。これまでに感じたことのないような、痛みだ。涙が出そう。
以下略



8:名無しNIPPER[saga]
2017/04/30(日) 00:22:00.57 ID:kcOLXSKS0
 もう一度深呼吸。

 切り替えていかないと、ガヴに心配させてしまうかもしれない。否、それも私の悪行ではないのか。心配してくれたとして、それは私が依存させているからだ。

 思考が悪い方向にしか行かない。こんなんじゃ駄目だ。
以下略



9:名無しNIPPER[saga]
2017/04/30(日) 00:26:30.37 ID:kcOLXSKS0
 玄関にはゴミ袋が一つ転がっている。珍しいことに、きちんと自分で掃除していたのだろうか。とは言っても、お世辞にも綺麗だと言えるような状態ではない。やはり物が散乱しているいつもの部屋だ。

ガヴ「遅いよ……腹減ったから何か作ってくれない?」

 朝から何も食べていないのだと言うその顔も、いつも通りだ。悪びれもしない、頼めば私がやってくれると思っているのだろう。実際私は、そうなるだろうと思って自宅から食材を持ってきている。
以下略



10:名無しNIPPER[saga]
2017/04/30(日) 00:29:32.18 ID:kcOLXSKS0
ヴィーネ「あれ、なんで、私、嘘」

 両目を拭う。

ヴィーネ「ごめ、ごめんねガヴ。すぐっ、すぐに、泣き止むからっ」
以下略



11:名無しNIPPER[saga]
2017/04/30(日) 00:36:02.39 ID:kcOLXSKS0
ヴィーネ「うっ、ううっ」

 思い浮かぶのは、全部ガヴリールの顔だった。気怠げで、でもとびきり美少女で。たまに見せてくれる笑みはまさしく天使で。

 でもそんな笑みも、彼女の心からのものではなかったのかもしれない。私が、悪魔として彼女を堕落させていただけ。
以下略



12:名無しNIPPER[saga]
2017/04/30(日) 00:38:39.16 ID:kcOLXSKS0
ガヴ「もう、なんだよお前。急に泣き出して鬱陶しい」

 言葉は乱暴なのに、声がした方から優しい感触が私を包み込んだ。

ヴィーネ「ガヴ?」
以下略



13:名無しNIPPER[saga]
2017/04/30(日) 00:44:57.68 ID:kcOLXSKS0
ヴィーネ「私、私ね、ガヴが好きなの!」

 堪えられずに、感情をぶちまけていた。

ヴィーネ「好き、好き、好きなのお」
以下略



14:名無しNIPPER[saga]
2017/04/30(日) 00:50:21.87 ID:kcOLXSKS0
ヴィーネ「私、私ガヴに酷いことして」

ガヴ「うん」

ヴィーネ「私が、私がガヴのこと好きだから、自分に依存させようと仕組んだの」
以下略



15:名無しNIPPER[saga]
2017/04/30(日) 00:56:04.23 ID:kcOLXSKS0
 今彼女は、何を考えているのだろう。何を思いながら私の話を聞いてくれていたのだろうか。

 これは罪の告白だ。私が加害者で、彼女が被害者。きっと自己満足でしかない。これすらも、私の悪魔としての性質に起因する行動でしかないのかもしれない。

 きっとガヴは許してくれないだろう。それだけ酷いことをした。天界の期待と未来を背負った優秀な彼女を、私が潰したのだ。私がガヴリールの人生を滅茶苦茶にしたんだ。
以下略



16:名無しNIPPER[saga]
2017/04/30(日) 01:00:56.19 ID:kcOLXSKS0
ヴィーネ「あのね、ガヴ――」

ガヴ「ヴィーネ」

 私の言葉を遮って、ガヴが言葉を紡ぐ。
以下略



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