過去ログ - 発達した筋肉は、魔法にも見える
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12:名無しNIPPER[saga]
2017/05/02(火) 01:36:09.40 ID:XLaamDOK0
「……ふぅ」

女が出て行った後で、男は窓をもう一度開けてちりとりに盛ってある花弁を外にばら撒いた。
あー!!もう、最悪!!といった女の甲高い声が下の方で聞こえた気がしたが、彼は気にせずまた窓を閉め、ソファにもたれかかった。
ギシギシとソファの足が悲鳴を上げる。
彼は勤勉であるが、真面目ではなかった。
そして、少しいたずら好きである。

……そんな悪戯をして、少し気分を晴らした彼の耳に廊下の方から誰かが近づく足音が聞こえた。


「やあ、大丸くん。おはよう」


研究室に入ってきたのは、薄い青のつなぎを着たおじいさんだった。
この東京大学、コンクリート研究室の教授である。


「あぁ、せんせ、おはようございます」


「今日は現場の方に行くのかな?」


「はい。そうしようかと」


「頑張っておいで。私ももう少ししたら出るから」


「はーい。お土産、期待してますね」


「うん。任せといて。……君は?もう出るの?」


「はい。ちょうど今から出ようかと。……今すぐ!」


「ははは……。まあ、気をつけて」


「はい!」



男は言いながら、早足で研究室を出て
校舎の出口に少し遠回りをしてから外に出た。
玄関には、やっぱり桜の花弁が一面、散らばっていた。






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