過去ログ - 超能力戦争から逃げて異世界に来てしまった【キャラ募集安価】
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104:名無しNIPPER[saga]
2017/05/06(土) 18:23:49.00 ID:++Gf/xpS0
「東大陸には人しか住んでいないんですか?」
「そうですね。もちろん獣はいます。あくまでも“文明を持つ種族が人間だけ”という意味です」
「………」

 行ってみたい気はする。人間だけが作った魔法の存在する世界の国がどんなものか気になった。

 だが、リマルはどうする。人間だけしかいない国にアライグマの姿をした少女は浮かないだろうか。

 それどころか迫害されたり、食材にされそうになったら……。

「りゅーやさん……」
「リマル?」

 クイクイとズボンを引っ張るリマル。その顔はどこか悲しそうで、そして嬉しそうだった。

「私を心配してくださっているのは嬉しいですが、行きたい場所を選んでください。旅の足手まといになるようでしたら抜けますから」
「リマル……」

 えへへと潤んだ瞳で笑うリマル。

「確かに人間だけが暮らす大陸なので心配なのは分かりますが、どこの大陸に行こうと悪い人はいます。むしろ人間ばかりいる大陸の方がアライグマ族という珍しい存在を狙いにくかったりもしますよ。突然いなくなったら気が付きますし」

 ミリアリアのフォローを聞いて、龍矢は行き先を決める。

「東大陸にするよ。なんだかすごく……見てみたいんだ」

 かつて龍矢は人間に失望した。自分達のエゴの為に地球をここまで汚す事ができるのかと。
 だが、一方で優しさは存在した。輝きもあった。

 龍矢は誰よりも人間を嫌いながら、誰よりも求めていた。

「東大陸なら私もシラダリア商会本部に行く用事があったので旅費は持ちますよ」

 ミリアリアは薄い胸をどんと叩く。何とも頼もしい言葉だった。


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