過去ログ - 超能力戦争から逃げて異世界に来てしまった【キャラ募集安価】
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名無しNIPPER
[saga]
2017/05/06(土) 21:22:08.52 ID:++Gf/xpS0
龍矢達は航路を変え、中央大陸南部へと降り立つ。貴族達と共に航海する気になれなかったのと、奴隷達を解放するためだ。
「本当にこれを貰って良いんですか?」
奴隷二十五名が当分生きていける量の宝石を孤児院に渡す。孤児院はミリアリアが昔から知っている場所らしく、神父も信頼できるという。
「正直に言うと、私はあなた達を見捨てようとしました。あの状況で貴方達を助ける方法が見つからなかったからです。ですが、リューヤさんは圧倒的な力で貴方達を救いました。その彼が良いと言うのだから、これらは全て貴方達の物で、貴方達の未来は自由です」
その瞬間、彼らの表情に笑みがこぼれた。安堵して泣きだす獣人もいた。
「強く生きて下さい。そして、死んでいった仲間の為にも幸せになって下さい」
ミリアリアは眼鏡をくいと持ち上げた。涙が流れない術式をかけられた魔法具でくいと持ち上げると発動する。
「彼らはこれから幸せになれるかな」
「……絶対大丈夫ですよ。りゅーやさんのおかげです」
龍矢は解放された奴隷達に自分を重ねていた。終わりのない戦いに希望を見いだせなかった自分。
そこから解放された時、彼らのように皆で笑う事が出来たのだろうか。
少なくとも分かる事は、自分は二度とその権利を得られない。
戦場から逃げ出した者に、その権利はないのだ――。
第二話「未来が死んだ日、生まれた日」 完
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