過去ログ - 超能力戦争から逃げて異世界に来てしまった【キャラ募集安価】
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2:名無しNIPPER[saga]
2017/05/04(木) 20:13:31.40 ID:kIZOMHIZ0
「逃げろ!!」

 かつて日本と呼ばれ、東京と呼ばれていた場所。今では焦土と化していたが、二人の青年が叫びあっていた。

「君を置いて逃げるなんて…っ!」

 中性的な顔立ちの少年が首を横に振る。その先にいた筋肉質な青年は少年に向かって叫び続ける。

「人類軍に理性なんて残ってはいない! 超能力者を殺戮しろとプログラムされたロボットしかいねぇんだ!」

 青年の前方には鉄の塊が無数に並んでいた。それはとても機械と呼べるような美しさを備えていなかったが、明らかに目的のある行動を取っていた。


 ――超能力者を圧死させよ。


 改良の果てに得た人類側の結論。それは「超能力者に対してプライドを捨てること」だった。

 第一次超越戦争では精巧に作られた機械兵士と、それに伴う高度なプログラミング、人工衛星を利用した緻密なシステムが使用された。

 第二次超越戦争ではパワースーツを着た人間達が弾丸となり、文字通り「自爆」を目的とした戦略が使用された。

 そして第三次超越戦争では原子、分子構造を自由に組み替えることのできるチップ(人間を圧縮したもの)によって限りなくシンプルに動くことのできる無機物の塊が使用されている。

「俺はもうだめだ! 超能力で止めてはいるが、いずれ浸食される!」

 青年の右足には鉄の塊ががっちりとくっつき、ブブブと音を立てて振動していた。

「そ、それでも、それでも僕なら……っ」

 少年は青年の足を超能力で切断しようとしたが、

「最後まで俺に逆らうんじゃねぇ!!」


 先に超能力を使った青年の手によってどこかへ転移させられてしまった。


「え……、う、うわぁああああ!?」

 突如として広がる青。

(ぼ、僕が空を飛べないからって!!)

 少年は非常に強い能力を数多く使用できたが、なぜか空を飛ぶ力だけはなかった。

 少年が助かる方法は一つ。

(空間を切り裂いて、異世界へ行くこと……)


 超能力を解析する事のできる仲間から教えてもらった少年の力。

 一度しか使えず、一人しか通れない光の道を作り出す力。


『最悪が起きたら貴方はそれで逃げるの。そして異世界で生き延びる事こそ私達が生まれた意味につながるわ』


 かつての誓い。今は亡き少女との約束。

「……くそっ、くそぉおおおおおおお!!」



 そして、そして少年は―――――。






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