28: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/05/06(土) 01:01:42.90 ID:vBGUfo7C0
「アイドルになりたくて頑張って頑張って、それでも届かなくて。でも夢の中でナナは言うんです」
「『今さら退けない』って。……それで少し怖くなったんです」
夢を追い続けることが怖くなったんです、と菜々さんは言った。
やはり俺は何も言えなかった。
何か言うことで、目の前の少女の心境に変化を与えてしまうことが怖かった。
だが、そんな臆病な俺の逃避は許されなかった。
「……ねえ」
菜々さんが小さな、聞き逃してしまいそうなくらい小さな声で言う。
「もう、いいかな……?」
俺にしか聞こえない囁き。
それは救いを求める声に思えた。
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