38: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/05/06(土) 01:44:14.25 ID:vBGUfo7C0
「いやいや、もう少し気にしてくださいよ。別の世界の菜々さんがアイドルを諦めるところだったんですよ」
俺が構ってほしがると、菜々さんはひどく面倒くさそうな顔(菜々さんにしては珍しい表情だ)をして「そうでもないと思いますよ」とあっさり言った。
「もういいかな、っていうのもきっとプロデューサーさんがいたから出てきた言葉だと思いますし」
「それは……俺がそばにいたから自信を喪失したと?」
だとしたら、俺なんていない方があの菜々さんは悩まなくて済んだということか。
「そうじゃなくて。きっとそっちのナナは、プロデューサーさんなら否定してくれると思ったんですよ」
ずずず、とお茶を啜りながら菜々さんは俺を見つめた。
「ナナには幼馴染はいませんでしたけど、もしいたらきっと色々相談したと思います。そして、もしそこで幼馴染に夢を諦めるよう言われたところで従わなかったと思います」
「え、けっこう菜々さん頑固?」
「当たり前じゃないですか!だいたい幼馴染どころか両親から『いつまで続ける気だ』って言われながら何年も続けたんですよ。高校のうちにアイドルなれなかったぐらいで、諦めたりするもんですか」
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