過去ログ - 水本ゆかり「神様の前で嘘はつけないんです」
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名無しNIPPER
2017/05/06(土) 12:53:35.22 ID:2lPz9rtXO
「ごめんなさい、プロデューサーさん。私、寝惚けていたみたいで」
「いや、気にしてないよ。むしろ寝ても覚めても甘えられてるみたいでなんか嬉しかった」
今度はすっかり眠気も覚めたみたいで、声にも張りが出て来ている。しかしどこか不満そうに見えた。
「でも、不平等です」
「ゆかり?」
「私は寝惚けていて、あんまり覚えていません。だから」
「お、おいおいっ」
ギューっという擬音が聞こえそうなくらいに強く抱きしめられる。
「まだ朝ごはん作ってる最中なんだけどなぁ」
「ここのところ、全然出来ませんでしたから。。それとも、プロデューサーさんは、いや……でしたか?」
「そんなわけ、ないけどさ」
甘えるようなゆかりの声は俺に有無を言わせなかった。100回やられたら、100回とも負けるであろう自信があった。彼女が俺に深い愛を与えてくれるのと同時に、俺もゆかりには負けないくらいの愛を抱いていたんだから。抗う理由がどこにあると言うのか。ただただ、最後の一線だけは超えちゃいけないと言う理性だけを抱いて。俺の色に染めてしまった彼女に対する、プロデューサーとしてのせめてもの意地だった。
「ふふっ。なんだか、幸せです」
「そうか」
そんな素振りを見せるのが恥ずかしくて、素っ気ない態度をとってみせた。
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