過去ログ - 掃除機、さくらんぼ、カスピ海
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2:名無しNIPPER
2017/05/07(日) 20:32:40.83 ID:GzMxKLQs0
頭を持ち上げ、体をソファーから起こす。

 あんまり頭を下にして、濁りがまた頭に戻っては困ると思ったのだ。

 こういう時、私はお風呂に入る。

 顔面をシャワーに晒して、軽く閉じた瞼を上から指で押さえつける。

 そうすると、濁りは瞼の隙間から染み出し、流れていく。

 医学的な効果を調べたことはないけど、これで問題はないから、これで問題はない。

「お風呂ですか」

 ソファーから立ち上がり、リビングの外に足を向ける私に、足下から声がする。

「あんたも一緒に入る?」

 視線を下にやりながら誘ってみる。

「遠慮しておきます」

 つれない返事が返ってくる。

 しかし、それも仕方がない。

 こいつは水に濡れると壊れてしまう。

 だって、

「だってあなたは掃除機だものね」


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