3:名無しNIPPER
2017/05/07(日) 20:33:59.58 ID:GzMxKLQs0
小さい頃から、物にも魂があるという考えをしていた。
どんな物にも、大事にされて嬉しいと感じる心があるし、乱暴に扱われて悲しいと感じる心があるのだ。
おかしいとか、気持ち悪いとか言われたこともあるけど、間違っていると考えたことはない。
物が悲しまないように大事に扱ったし、物が嬉しくなるように、その物本来の使い方を徹底した。
むしろ、その思いは日に日に強くなるようでもあった。
私が六歳のある日のことだ。
幼稚園の、共有おもちゃ箱に古い知恵の輪が有った。
かっちり、組み合わさった二つ鉄を見て、これを解いた奴は、この園に誰も居ないのではと思った。
この知恵の輪は誰にも解いて貰えないでいることを、悲しく思っているのでは。と思った。
ここでひとつ、強く主張しておく。私は、物に魂があるという考え方をしているけれど、声を聞いたりすることができたりするわけではない。
(今でこそ、ひとつ例外が居るけれど。)
『誰にも解かれたことがない』なんて申告を受けたわけではないし、『誰かに解かれたい』と願われたわけでもない。
けれど、『そうではない』という否定をしてくれる人も、目の前の無口な知恵の輪を含め、誰も居なかった。
解こう。と思った。
一週間かかった。
それが最長記録。
以降もいろんなパズルを見かけては、必ず一週間以内に解いてあげた。
17Res/16.66 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。