過去ログ - 掃除機、さくらんぼ、カスピ海
1- 20
7:名無しNIPPER
2017/05/07(日) 20:36:32.44 ID:GzMxKLQs0
「それで、やっぱりcherryは解けなかったのですか」

 そのたったひとつの例外が、お風呂上がりの私に話かける。

「なんでcherryのことを知っているの。話してないのに」

「何故でしょう」

 掃除機がノズルを傾ける。首を傾げたつもりだろうか。

「やっぱりあんたは私の妄想なんだ。だからcherryのことを知っていたんだ」

「だったら、『解けなかったのですか』なんて聞かないでしょう。知っているんですから」

「それは演技なんだ。さも知らないように振る舞っているだけなんだ」

「そもそも、私がただの妄想なら、一人でに動けるわけないでしょう」

 自分には自我があるのだと言わんばかりに、掃除機はホースを振り回した。

「それも私が動かしているんだ。それをあんたが一人でに動いているように錯視しているんだ」

「そこまで重症の人間がまともに生活できるわけないでしょうに」

「うるさい」

 私は掃除機のコンセントを引っこ抜いた。

 ううぅぅん。と唸り、静寂が流れて数秒。コードが一人でに動いて、自らコンセントに刺さった。

 んぅぅうう。と唸り、掃除機がもう一度口(?)を開く。

「おやすみにはまだ早いでしょう」


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
17Res/16.66 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice