過去ログ - 【モバマス】P「なぁカミサマよ、願わくば」
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12:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/11(木) 23:04:47.56 ID:KJCAM6rl0

時計の短針が十の数字を指す頃。

(……やーっと終わったでぇ…………)

残業は苦にならない。それは嘘じゃないけれど、さすがに夜の十時にもなると身体的に疲労が出始める。

「あー……目ぇ痛い。早よ帰ろ……」

記入を済ませた書類や作成した資料をデスク上でまとめ、カバンを持って立ち上がった。
同僚たちは皆既に帰ってしまっている。戸締りもしなければならない。

不意に、かちゃり、と。
窓の鍵を見回っていると、ドアが開くような音が静かに聞こえた。
誰か来たのか。

(……こんな時間に? )

誰だ。
泥棒、強盗、エトセトラ。
面倒な事態が脳裏に思い浮かんだが、入ってきたのは良い意味で予想を裏切った人だった。

「……プロデューサー様? まだ、いらっしゃったのですか」

「……クラリスさん?」

そこに立っていたのは、担当する我がアイドルだった。

「何しとるん、こんな時間に」

「忘れ物をしてしまいまして。明日でも良かったのですが、灯りがついておりましたから」

「ふーん……なに忘れたん?」

「これです」

差し出されたのは、茶色い装丁のシンプルな大学ノートだった。

「……ノート?」

「はい。レッスンでいただいたアドバイスや注意点などをまとめています。寝る前に見返すよう習慣づけていて、それで気づいたのです」

「へぇ。勤勉やねえ」

「それほどでもありませんわ。……プロデューサー様は、今までお仕事を?」

「うん。やること多くてなあ今日。しゃーないわ」



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