過去ログ - 【モバマス】P「なぁカミサマよ、願わくば」
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15:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/11(木) 23:07:10.17 ID:KJCAM6rl0

今更謝られてもどうにもならない。そう言って冷たい反応が来るのが普通だと思う。少なくとも俺ならそうするか、もしくは怒りをぶつけただろう。

「……顔を上げてください」

だけど、彼女の声は落ち着いた優しいもののままだった。

頭を上げて彼女の顔を見ると、少しだけ困ったように眉尻を下げていた。

「顔合わせをした日にも申し上げたように、私は貴方を恨んでなどいません。ですから、元々謝罪を受ける理由もないのです」

「……いや、でもやな」

「ですが。……今は、あえてこう言おうと思います」

俺の心を読んだように俺の言葉を遮って、クラリスさんはニッコリと微笑んで言った。

「許しましょう。貴方の全てを。……きっと主も、そのようになさるでしょうから」

なんだこの人は、聖人か何かか。

敵わないなと思った。

「……恩に着るわ」

緊張が途切れる。
それは、俺が欲しかった言葉。期待はできなくても求めていた反応だった。


お待たせしました、と。
年若い店員さんがタイミングよく注文の品を持ってきた。

「ふふ、とても美味しそうですね」

「せやな。いただこか」

いつ以来かは定かではないけれど。
ずいぶん久しぶりに、あたたかい食事をしたような気がした。

(……やっぱ残業も、悪くはないもんやで)



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