過去ログ - 【モバマス】P「なぁカミサマよ、願わくば」
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22:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/11(木) 23:12:26.23 ID:KJCAM6rl0



走り込みを始めとした積み重ねたレッスンの成果が遺憾無く発揮されたライブだった。

クラリスさんも参加した合同ライブはつつがなくそのセットリストを終えた。

彼女のパフォーマンスは他の新人以外の出演者と比べても見劣りすることはなかった。俺に専門的な知識は皆無なので完全な素人目にはなるが。手前味噌だ? 知らん。

ダンスが少しばかりたどたどしく見えたけれど、得意な歌でそこはカバーできていたように思う。
元々歌唱力は高かった彼女だが、アイドルソングを歌うのは曲調に不慣れなせいか苦手としていた。が、そこも随分改善できていた。
ついでに言えばお客さんのウケも上々だった。

「……というわけで。めっちゃよかったと思うよ」

「そうですか……安心しました」

ライブ会場からの帰途、車の助手席に座る彼女は心から安堵したような息をついた。
その表情は今までに初めて見たようなもので、少しだけ不思議に思った。

「……そない不安やったん?」

「そうですね。……不安でしたよ」

「そうなんか。そんな風には見えへんかったわ」

いつでも落ち着いて、凛とした雰囲気を醸し出している彼女。今日のライブの出番前だって、それは変わらないように俺には見えていた。

「弱みは見せないように振舞っていましたから。無理もないかと」

「……なんでまたそんな」

「……押し留めていないと、不安と重圧で潰れてしまいそうだったんです」

彼女は照れたような、困ったような声色でそう言った。



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