過去ログ - 【モバマス】P「なぁカミサマよ、願わくば」
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4:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/11(木) 22:58:26.00 ID:KJCAM6rl0

気に入らない相手なら恫喝の一つもしてやろうものだが、相手はただ頭を下げるだけ。
こちらも良いことはしていないという自覚があるから、どうにも強く出ることは出来ずにいた。

上からの指示は早急な回収、できないなら建物を差し押さえろ、登記書を持ってこい、権利書を持ってこい。無理矢理にでも。

しかし、かすかに残ってしまっている良心のせいで、俺はその指示に従いかねてしまっていた。


「おう、ボン。帰ったんかい」

事務所に入ると、強面でガタイのいい男からそう声をかけられた。
『ボン』、というのは俺の呼び名だ。『いいところの坊ン』のようだ、と評された俺の顔。以来そんな呼び方が定着した。

「……兄ィ。お疲れさんス」

「取り立て行っとったんやろ。どやった、今日は」

「……その、もうちょい待ってくれ、と」

「ほォ。……んで、お前はどうしたんじゃ」

「と、とりあえず……今日んとこは帰ってきました」

「そうかそうか」

そう言って、上司であり、兄貴分にあたるその男はヤケに機嫌よく豪快に笑った。嫌な予感が背筋を走る。

それはまったく見事に的中した。

「ボン。お前クビじゃ。荷物まとめて帰れや」

「……え?」

「クビじゃ。帰れ」

口元がひきつる。

「な、なんでですか? 俺、なんかしました?」

理由は薄々分かっていたけれど、そう尋ねずにはいられなかった。



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