過去ログ - 【モバマス】P「なぁカミサマよ、願わくば」
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49:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/11(木) 23:36:22.51 ID:KJCAM6rl0

空を見上げると、ぼんやりとした月が浮かんでいた。

(……どないしてたら、明日からもあの人と一緒におれたんかな)

答えのない問い。それはきっと誰にもわからない。
兄ィから電話がきたあの日は、馬鹿な生き方をしてきた自分を悔いた。だけど、よくよく考えてみれば何が正解かなんてわからなかった。

不真面目に生きていたから、兄ィたちのいざこざに巻き込まれることになって、今こうして逃げるようにここを離れることになっている。

だけど、もし真っ当に生きていたら?
そもそも、路頭に迷って社長に拾われることもなかったかもしれない。そうだったら、きっと俺はアイドルになんて興味がないままで、あの人の存在だって知らなかっただろう。

俺は俺の生き方をしていたから、あの人と出会うことができた。
俺は俺の生き方をいていたから、あの人と別れることになった。

どこまでを巻き戻して、どれだけをやり直せば、望む人生を歩めたのか。
あるいは、どれほど思い通りにいじくっても、望む人生なんて得られないのかもしれない。

……過去を悔いたって、どうしようもないんだ。
全ての答えを知っているんだろう神様は、その答えを教えてはくれないから。

だから、俺たちは祈ることしかできない。自分にできることを全てやり尽くしたあとは。ほんの少しでも、いい場所へ導いてもらえることを信じて。

(……なあ、神様よ。……願わくば、これから先のクラリスさんの未来が、幸せにあふれたものでありますように)

……そして、叶うならば。

(……ほんの少しで構わない。俺という人がいたことを、彼女が覚えていてくれますように)


口から溢れる紫煙がゆらゆらと空に上がっていく。わずかに月を隠したかと思うと、一陣の風が吹き、すぐさま煙は散ってしまった。

(……さいなら、クラリスさん)



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