過去ログ - 【モバマス】P「なぁカミサマよ、願わくば」
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51:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/11(木) 23:37:40.54 ID:KJCAM6rl0

そう言って、少女は不敵な笑みを浮かべながら手持ちサイズのポーチに手を突っ込んだ。取り出したのは、ごく小型のシンプルなシルバーのラジオだった。

「……なんやそれ」

「ラジオじゃ。……まさか知らんのか?」

「知っとるわい。知った上で聞いとるんや」

「ほうか。……まあうちなりにな、なんでおっちゃんの店が繁盛せんのかを考えたんじゃ」

「ほう。なんでや?」

「つまらん」

「なんやと」

「落ち着け。何もバカにしよるんとちゃうんじゃ。ええか、周りを見ぃ」

「周り?」

「おう。……蝉の鳴き声しかしよらんじゃろう」

「せやな」

「このクソ暑いなか、やかましい蝉を聴きながらつまらん店主とタコ焼き食いたい思うか?……断じて否じゃ」

「お前やっぱりバカにしとるやろ? おいこっち見ろや」

「そこでラジオじゃ」

「無視か。聞けや」

「これさえありゃあ野球も聞ける、馬も聞ける。流行りの音楽かて流せるじゃろ。完璧じゃと思わんか?」

「とりあえず話を聞けやと、そう言いたい。……まあでも、悪くはないかもしれんな」

「そうじゃろ。ほれ、これやるわ」

「ええんか?」

「構わん。どうせ安モンじゃ。うちはもっとええのつことるけぇの」

「ちょいちょい鼻に付くなぁ……スイッチこれか」

ぱちり、と音を立てて電源が入る。はじめは砂嵐のようなノイズだったが、アンテナを立てて方向を合わせるとちゃんと音を拾うことはできた。


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