過去ログ - 【モバマス】P「なぁカミサマよ、願わくば」
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53:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/11(木) 23:39:17.97 ID:KJCAM6rl0

どんなに名残惜しくても、やがて曲は終わってしまう。

『……ありがとうございました』

ぺこりと行儀よくお辞儀をする姿が目に見えるようだった。

歌の余韻に浸って目を瞑っていると、すぱんと軽く頭を叩かれた。

「いたっ。何すんねん」

「ぼーっとしよるから。ちゃんと聞いとけよ」

「はあ?」

何を言ってるんだ、と。そう思ったけれど、そういえばこのあともクラリスさんの出番は続くんだったか。気持ちを切り替えてラジオに集中する。

クラリスさんの声が、ゆっくりと紡がれる。

『……アイドルたるもの、全ての人のためにあるべき。それは承知の上ですが、今だけは。一人の人間として、言わせてください』

その言葉は、俺に向けられていた。

『去年の一年間。私には大変お世話になった方がいらっしゃいます。その方は私のために、身を粉にして働いてくれました。来る日も来る日も、毎日毎日』

『そしてその方は、一年の終わり、私に最高のプレゼントを贈ってくださり。……その後に、姿を消しました。何も言うことなく。誰に伝えることもなく』

『……その方のことです。きっと、なにか事情があったのでしょう。それは承知の上。ですが、私はそれでも納得ができませんでした』

『……さようならの一言もなく去ってしまった、私の……私だけの、プロデューサー様。……今、聞いておられますよね。どこか遠くの地で。鉄板はこの時期お熱いでしょう?』

心臓を掴まれたような気分だった。
どうして。なんで知ってるんだ、今の俺の状況を。


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