過去ログ - 【モバマス】P「なぁカミサマよ、願わくば」
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55:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/11(木) 23:41:14.64 ID:KJCAM6rl0

「……マジで?」

「マジじゃ」

予期せぬ急展開に中々頭の処理が追いつかない。会ったことがあったか? 一日に何人もの人とすれ違う大きな事務所だった。正直全員の顔を覚えてはいられない……けど、向こうが覚えてたんだからこの言い訳は不適当か。

少女は小さくため息をついた。

「……アンタの事情はある程度知っとる。社長と千川の姉御と……まあちょっとした知人からも聞いとってな」

「……どこからどこまで?」

「アンタがウチに入社してから失踪するまでじゃ」

「全部やん。こわっ」

「茶化すな。……まあ知っとるから、アンタが逃げるように辞めて今こんなとこでフラフラ生きとる理由もわかっとる」

眉根にしわを寄せ、彼女は腕と足を組んだ。

「……わかっとるが、それでもうちはこう言うぞ。
あんなええ女を泣かせたアンタは最低じゃ」

「……泣いとったん?」

「アンタみたいな甲斐性なしのためにな」

「なんやと」

「そうじゃろが。勝手にふらふらおらんようなるわ、やたらと心配かけるわ、人の顔は覚えんわ、出した店はよう繁盛させんわ。甲斐性なしじゃ」

「……耳がいたいな」

「ふん。……ちゃんと会いに行ったれや。ああは言うとっても、ただ待つんは辛いモンじゃ」

……会いに行きたい。
そのつもりは俺にだってある。だけど。

「……会いに行ってええもんなんやろか」

巻き込まないために、迷惑をかけないために俺はあの場所を離れたのに。



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