過去ログ - 「ヴィーネ……キスして」
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1: ◆VsKDZIx0tDcQ[saga]
2017/05/12(金) 14:48:09.90 ID:m98lnMJY0
私のその言葉にヴィーネは顔を赤くして戸惑っていた。

◇◇◇

今日は休日、月曜日の提出に間に合うようヴィーネに宿題を見せてもらおうと部屋にお邪魔したんだ。

季節は夏、殺意のこもった太陽の日差しが降り注ぐ外とは違い、この家はクーラーによって快適な温度に保たれている。
控えめに言って最高だ。

「はぁ、天国ってヴィーネの部屋にあったんだな」

「クーラーつけてるだけで絶賛ね」

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2: ◆VsKDZIx0tDcQ[saga]
2017/05/12(金) 14:48:59.17 ID:m98lnMJY0
「私ヴィーネの家に住もっかな、部屋も綺麗だし」

「あんたの場合ただ宿題写したいだけじゃない!」

「むしろ写すのすら面倒くさいからいっそのことヴィーネの宿題に転生したいくらいだよ」
以下略



3: ◆VsKDZIx0tDcQ[saga]
2017/05/12(金) 14:49:32.23 ID:m98lnMJY0
私の言葉に対して小気味良くツッコミを入れるヴィーネの器用さにはいつも舌を巻く。
相手のボケを最大限に輝かせるために強すぎず弱すぎない絶妙な言葉をチョイスするあたり、プロのツッコミ師としての実力の高さを感じずにはいられない。

「いや私プロとかじゃないからっ!」カッ

以下略



4: ◆VsKDZIx0tDcQ[saga]
2017/05/12(金) 14:50:24.46 ID:m98lnMJY0
「休憩にしましょうか、冷蔵庫にチョコレートがあるから持ってくるわね」

「さっすがヴィーネ!私ちょうど甘いものが食べたい気分だったんだ」

ヴィーネが持ってきた一口サイズのチョコレートを遠慮なくいただく。
以下略



5: ◆VsKDZIx0tDcQ[saga]
2017/05/12(金) 14:51:38.43 ID:m98lnMJY0
「あれ、顔赤いけど大丈夫?ガヴ」

ヴィーネが私に何か言ってる。
何?顔?
よくわからないけど、なんかふわふわして気分がすごく良いや〜。
以下略



6: ◆VsKDZIx0tDcQ[saga]
2017/05/12(金) 14:52:12.80 ID:m98lnMJY0
「ガヴ……もしかしてあなた酔ってるの?」

「ふぇ、私がチョコごときで酔うはずっ、ないじゃん」フラフラ

「そんなフラフラしながら言われても!今お水持ってくるからちょっと待ってなさいっ」
以下略



7: ◆VsKDZIx0tDcQ[saga]
2017/05/12(金) 14:52:58.30 ID:m98lnMJY0
ああ、ヴィーネの匂いだ。
優しくて、面倒見が良くて、いつも私を助けてくれる。
こんなダメな私を見捨てないで一緒に居てくれる。

なんか、困ってる顔のヴィーネ、すごく可愛いな。
以下略



8: ◆VsKDZIx0tDcQ[saga]
2017/05/12(金) 14:54:23.04 ID:m98lnMJY0
◇◇◇

「ヴィーネ……キスして」

「え、ガヴ、何言ってっ」ボンッ
以下略



9: ◆VsKDZIx0tDcQ[saga]
2017/05/12(金) 14:55:04.32 ID:m98lnMJY0
「やっぱりヴィーネは、天使である私のことが嫌いだったんだ」

「!いや、そういう意味じゃ……」

「もういいよ、嫌いなんでしょ!」
以下略



10: ◆VsKDZIx0tDcQ[saga]
2017/05/12(金) 14:55:45.68 ID:m98lnMJY0
「っ!ガヴ……私……っ」

私の言葉がついにヴィーネの理性を崩壊させてしまったらしい。

気がつけば私はベッドに押し倒されていた。
以下略



11: ◆VsKDZIx0tDcQ[saga]
2017/05/12(金) 14:56:29.26 ID:m98lnMJY0
ああ、言ってしまった。
アルコールが全身に回っているせいなのかわからないが、私の頭はもう余計なことを何も考えられない。

ただ気分が良くて、この妖しい雰囲気に流されるのも悪くないのかもしれない、なんて思っていた。

以下略



12: ◆VsKDZIx0tDcQ[saga]
2017/05/12(金) 14:57:01.51 ID:m98lnMJY0
「あらあら〜」

「ちょっと、あんた達何してんのよー?!」

玄関の方から聞き覚えのある声が。
以下略



13: ◆VsKDZIx0tDcQ[saga]
2017/05/12(金) 14:57:41.43 ID:m98lnMJY0
◇◇◇

「あら、起きたのねガヴ」

「んあ、ヴィーネ……?あれ、私なんで……」
以下略



14: ◆VsKDZIx0tDcQ[saga]
2017/05/12(金) 14:58:14.62 ID:m98lnMJY0
ふいに私のお腹が鳴る。

「ヴィーネお腹へった」

「たくっ、しょうがないわね」
以下略



15: ◆VsKDZIx0tDcQ[saga]
2017/05/12(金) 14:58:46.50 ID:m98lnMJY0
◇◇◇

「ねえ、ガヴ……その、昼間のことって覚えてるの?」

「いーや、チョコ食べてからの記憶が全然なくてさ」
以下略



16: ◆VsKDZIx0tDcQ[saga]
2017/05/12(金) 14:59:35.37 ID:m98lnMJY0
「えっと……ガヴは……私のことってどう思う?」

「どう思うって……好きとか嫌いとか?」

「そっ、そうね、うん」
以下略



17: ◆VsKDZIx0tDcQ[saga]
2017/05/12(金) 15:01:20.05 ID:m98lnMJY0
この日を境に私たちは少しずつ、お互いの心の距離を縮めていった


数年後、私たちはなんと正式に付き合うことになるのだがーーーーーそれはまた、別の機会に話すことにしよう。

以下略



18:名無しNIPPER[sage]
2017/05/12(金) 15:41:46.68 ID:WATk/LZFo



19:名無しNIPPER[sage]
2017/05/12(金) 16:03:37.03 ID:JoViwR4ho
おつおつ
別の機会も楽しみにしてる


20:名無しNIPPER[sage]
2017/05/12(金) 19:33:49.38 ID:ywm7qjPPo
ガヴヴィーネ尊い


21:名無しNIPPER[sage]
2017/05/12(金) 20:44:30.79 ID:sZqoYGsGo
素晴らしいプロローグだ
本編もお願いします


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