過去ログ - 魔王♀「食べちゃうぞー!」勇者の母「食べないでください!」
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名無しNIPPER
[saga]
2017/05/20(土) 09:46:14.26 ID:FGQZz50A0
眼鏡の少女は死んでしまったのです。
寺子屋で一番よく話していた子でもあったので、少女は自分でも驚いたことに寂しいと感じました。
魔王は特に何も気にしてはいません。普通はそれで正しいのです。
魔物が食事をしただけだからです。でも、眼鏡の少女は、自分を守ろうとして魔王に飛び掛かったように見えました。
眼鏡の少女の両親も、もしかしたら、そうやって食べられてしまったのかと思うと、少女は悲しくなりました。
ねえ、もう寺子屋に行きたくない。
少女は暗い顔で言いました。
なんで? 行ったらいいのに! 買い物するとき助かるでしょ?
魔王は無邪気に言いました。
だって、と、ともだちが……。
ともだち?
魔王は首を傾げました。
お母さんが食べた子、だよ。
魔王が目を瞬かせます。
ともだち、だったの?
どうでもいいって、思ってたけど、いざいなくなったら悲しくて。
ふーん。
魔王は素っ気なく言いました。
お母さんは、ともだちがいなくなったら悲しくない?
ともだち、いないから分からない。
じゃ、じゃあ、もし私が死んだら?
少女は、質問して後悔しました。その答えがどんなものかは自分が一番知っているのに。
魔王は困ったように笑いました。そして、分からない、と答えたのでした。
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