過去ログ - 魔王♀「食べちゃうぞー!」勇者の母「食べないでください!」
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66:名無しNIPPER[saga]
2017/05/20(土) 11:05:34.42 ID:FGQZz50A0
や、やだッ。

窓ガラスから少女は逃げ出そうとしました。
しかし、ガラスには無数の毛むくじゃらの手がびっしりと張り付いていました。
ガラスは耐えきれずに、粉々になりました。そこから、魔物が我先にと群がってきました。

い、いやあ!

入口からもたくさんの魔物が入ってきます。一匹が飛び掛かりました。
少女はそれをかろうじて避けます。避けた先には、別の魔物がいました。
みしりみしりと小屋が揺れます。たくさんの魔物が少女を取り囲みました。
最初に入ってきた一匹が、少女の腕にガブリと噛みつきました。

やああああ!

痛くて痛くて、悲鳴を上げました。
魔物は味見程度だったのか、浅く肉を噛み千切ります。

美味いぞ! 人間の肉は上手いぞ!

高らかに言います。

頭! 頭えを寄越せ! 頭が一番美味しい!

少女は叫び続けます。魔王の名を呼びましたが、魔王は来てはくれません。
自分から飛び出したのですから、それも仕方がなかったのです。
自分は人間だった、そんな最悪の事実を知ってから死ぬなんて、少女は嘆きました。
なにより、魔王の娘ではないと言われたことに、本心から違うと言えなかったことが辛く悔しいです。

悔しくて、辛くて、悲しくて。
少女は涙が止まりません。自分の肉を取り合って、魔物が大騒ぎしています。
こんなみじめな終わりがあるでしょうか。
騙されたまま、終わるなんて許せるでしょうか。







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