過去ログ - 魔王♀「食べちゃうぞー!」勇者の母「食べないでください!」
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70:名無しNIPPER[saga]
2017/05/20(土) 11:34:19.07 ID:FGQZz50A0
先ほどまで威勢の良かった魔物たちが慄いています。
なんと気味の良いことでしょう。
少女は自分の右手の甲を見やります。
夢の中で、老人が言っていたのを思い出します。
あれは、本当のことだったんだ、と少女は頷きました。

目の前から消えて。そうじゃないと、さっきのやつみたいに消してやる。

少女が一言言うと、魔物たちはあっという間に廃屋から逃げていきました。
少女はとても可笑しくなりました。自分がこんなに強いなんて信じられません。
これなら、魔王にだって勝てます。魔王に真実を吐かすことができます。

少女は小屋から飛び出しました。体はとても軽くなっていました。
風のように木々の合間を駆けることができました。
植物の魔物が、少女を見て、正確には少女の右手を見て悲鳴を上げました。
仲の良かったバラの魔物たちさえ、少女を見て一目散に逃げだしていきます。

勇者だった。私は勇者だったんだ。
みんなから嫌われる勇者だったんだ。

少女はそれでもみんなが好きでした。
嫌われても好きだったのは変わりません。
ちくちくと痛む胸を抑えて、少女は魔王を探しました。


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