6: ◆opnRYVYTFw[sage saga]
2017/05/15(月) 03:11:18.03 ID:nvwqN8A+0
ーーーーーーーーーーーーーーー
ー 事務所 ー
「お疲れ様です、プロデューサーさんっ」
つきあいの長い事務員さんが、優しい笑顔を見せてくれる。だが、今日はそれすらも私の心を刺しに来ていた。
「顔色が悪いですが、大丈夫ですか?近くの医院で診てもらいます?」
「すみません…二日酔いで…」
もちろん嘘なのだが。
「………」
「………」
「…心配したことで大きな損失が出ました。早く補填してください」
「承知いたしました。あなた様のお仕事をわたくしが代わりに片付けさせて頂きます」
「よろしい。よいしょっと」ドサッ
…この素直さを、ちょっとでも分けてくれはしないだろうか。
「宮城県の様子は私が監視しておきます。安心してくださいっ」
「はい。プロデューサー、頑張ります」
「ではまた。それと、今日の夜を楽しみに待ってくださいね!」
彼女はそう告げると、軽い足取りで部屋を出ていった。
…今日の夜。例の結果が出る時だ。
こういう仕事なものだから、既に色々と知ってしまっている。今更驚きもしないが、アイドルたちには何も伝えていない。といっても、中間発表の時とあまり変わっていないから、彼女らの間で大きな問題は起きないと思っている。
問題は私だ。
どういう気持ちで祝福すればいい?
どんな言葉をかければいい?
そうだ、いっそ勢いのまま告白でもーーー
…まずい。悪人を鎮めなければならない。
頂いた仕事は置いたままで、邪念を振り切りに部屋を出た。
18Res/10.16 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。