11:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/16(火) 00:00:19.00 ID:Pvs0dD/C0
いつもは笑って適当に付き合っていたのだが、この時は心が疲れていたからか、気がつくと口にしていた。
「志希ちゃんは天才扱いされるの嫌じゃないんですか?」
志希ちゃんは少し拍子抜けたような顔をしてから笑顔で言った。
「別に?だってあたし、天才だも〜ん!」
「でも、その人が志希ちゃんのことを才能としてしか見てないってことですよ?」
言い過ぎたかな、と気づく頃には言いきっていた。
しかし、志希ちゃんはにゃはは〜と笑い
「かもね〜。でもそれでもいいかなって。茄子さんみたいに私を見てくれる人も少しはいるだろうし、私を見せたい人には私を見ろ〜って押し付けてるつもりだよ?」
それにね、と続けた。
「才能は武器なんだ。私に与えられた武器。なら使わなきゃ損だと思うんだ〜自分が楽しむために!」
与えられた武器。ハッとした。今まで幸運は自分にとって足枷でしかなかった。
それに、私は私を幸運としか見ない人に私を見せていただろうか?私は見せることをせずに、相手から見てもらおうとしか考えていなかったのではないか。
そしてなにより、今、自分は楽しくない。
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