30:名無しNIPPER[saga]
2017/05/20(土) 09:06:54.69 ID:uOLIBoN/0
「菜々、とにかくしっかり寝てから、一度病院に行ってね。はやく元気になって戻ってきて」
「……はい。ありがとうございます」
ピッ。
昼休みにわざわざ電話をくれた同僚に感謝しつつ通話を切る。
あれから 1 週間が経った。
以前からのミスに加え、ぼーとしてばかりだったナナを心配した彼女が上司に相談した結果、こうして自宅で休養することになったのだ。
ごろんと横になって天井を見る。天井にはシミひとつついていない。
おそらくナナは、私は元の世界に戻る最大のチャンスを失った。
しかし、そもそも私は本当に元の生活に戻りたいのだろうか。
もちろんアイドルは好きだ。歌うのも、踊るのも、バラエティで仕事をするのも。
大好きだ。だけど……。
『このままこの生活続けてたらどうなるんだろうって不安になって。もしなれたとしても 無名のまま終わるじゃないのかって』
『怖かったの』
彼女の言葉がずっと頭のなかで響いている。私はウサミン星人という、いわゆるイロモノアイドル的なキャラクターだった。
けれど、みくちゃんみたいな猫キャラアイドルや、蘭子ちゃんや飛鳥ちゃんみたいな中二病キャラまで、あの事務所だけでも独特のメンツが揃っている。私は決して珍しいアイドルではない。
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