32:名無しNIPPER[saga]
2017/05/20(土) 09:20:43.88 ID:uOLIBoN/0
…………。
今の、この世界の生活は。安定した収入が手に入って、そしてもうすぐ結婚するはず(らしい)の婚約者もいる。
数年間アプローチをしてくれていたほどには私のことを想ってくれていて、それに加えてとて も優しい人らしい。
どこからどうみても順風満帆な生活。
「これでよかったのかなぁ」
自分しかいないこの部屋でナナの質問に答えが返ってくるはずもなかった。
質問といえば、あのフードの女性。結局あれはなんだったんだろうか。同僚に「私の名前ってなんでしたっけ」と訊いたら真っ青な顔になって病院に連れていかれそうになったので、やはり私は『安部菜々』で間違いない。
だったら一体なんで?
「……お片付けでもしようかな」
なにもやりたいことはないし、外に出る気力も湧いてこない。
ここ2週間ほどずっとドタバタしていたため、部屋のなかは物が散らかしになっていた。
部屋をきれいにすれば少しは気持ちの整理がつくかもしれない。
そんなことを考えながら部屋の掃除をしていると、
「あれ? このノート」
ボロボロになっている1冊のノート。私が子供のときに書いていた日記帳が出てきた。
昔の私はどんなこと書いてたんだろう。
気分転換がてらぺラリと表紙をめくってみる。
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