6:名無しNIPPER
2017/05/18(木) 01:30:59.18 ID:MqNS8RCY0
ジリリリリン。
ジリリリリン。
うるさいなぁ。
けたたましい機械音を止めようと音の発震源であるベッドの上の丸い物体を触る。
物体の表面には 8:30 というデジタルの文字が書かれている。なるほど、どうやらこの物体は目覚まし時計らしい。
……8:30?
さぁーと頭の中が冷えていく。あれおかしいな、7 時にタイマーセットしていたはずなのにああ今日レッスン早いのにやばい遅刻する、朝食は諦めてはやく着替えてお化粧しなくちゃ!
「……あれ?」
妙な違和感を覚えて、手元の時計を見る。
この目覚まし時計、ウサミン星にある目覚まし時計と全然違う。
目をこすってあたりを見渡す。
それだけじゃない。
ナナが寝ていたのは布団じゃなくてベッドだし、壁際に置かれている化粧台はうちのと比べ物にならないほどちゃんとしたものだし、そもそも部屋にいたっては 6 畳1間どころか 畳すらない洋室ではないか。
「……ここどこ?」
どこからどう見てもウサミン星じゃない。
……
ふむふむなるほど。頭が冴えてきた。この異常な事態から導きだされる真実はひとつ!
どうやらナナは夢を見ているらしい。
せっかく昔から欲しいと思っていたふかふかのベッド。夢の中とはいえめったに味わえないこの幸せをもうすこしだけ感じていたい。
さて、もうひと眠りしよう。それじゃ、おやすみなs
『♪♪♪』
今度は耳障りな機械音ではなく、かわいらしいメロディがナナの睡眠を邪魔する。
机に置かれているスマホから鳴っているみたい。発信主を見るとやはりナナの知らない名前だった。
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