過去ログ - 佐藤心「はぁとがかわる」
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10:名無しNIPPER[saga]
2017/05/21(日) 16:06:27.65 ID:BbtAjqcW0
 テレビ局での仕事を終えると空は茜色に染まっていた。

「夕焼けきれいだね」はぁとさんが呟いた。

 そうですね、と僕は頷いた。
 相槌を打つたび、自分の中で何かがすり減っていく気がしたが、相槌を打つ以外の方法が思い浮かばなかった。
 今日だけで何回も、この繊細な相槌を打ってしまっている。

 はぁとさんは心配そうな顔で僕を見ていたが、
 僕と目があっていることに気づくと、すぐに持ち前の笑顔を作った。そして笑顔のまま、沈黙を破った。

「……ねぇプロデューサー、今日この後、空いてる?」
「特に予定はありませんけど」
「じゃあ飲みいこう!付き合って☆付き合え☆」

 はぁとさんは僕の腕をつかみ

「ほら早くいこうよ☆はーやーくー」とグイグイ引っ張った。

 腕を引っ張る力は強くなく、僕はそこにはぁとさんの配慮、優しさを感じた。

 ずるいなと自分でも思った。
 結局、はぁとさんに言わせてしまった。この問題は二人の問題のはずなのに。
 優しい針がちくちくと、僕の心に突き刺さった。



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