過去ログ - 美穂「おっ、緊張してんの?」拓海「!?」
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◆XUWJiU1Fxs
2017/05/28(日) 11:05:41.11 ID:/QxO5QDHo
「チッ、やってらんねェぜ」
気分転換に愛車を弄っても走らせてみても気は晴れない。ゲームセンターのパンチングマシーンに思いの丈を全部ぶつけてみても数字ほどスッキリしない。
そんな日々が続きツアーへのカウントダウンは着実に刻まれていく。
「弱くなっちまったなあ、アタシ」
前日ゲネプロをなんとかこなすものの、緊張のせいかダンスはぎこちなく歌ってもスッキリしない。明日になればなんとかなるだろう、となるだけ楽観的に考えて早く寝ようとするが中々寝付けずにいた。
「ちょっと夜風に当たってくるわ」
「ん? あんま遅くなるなよ? 明日は本番なんだからな」
「分かってるっつーの」
そう同室の夏樹に告げてホテルを出た拓海は近くの公園のベンチに座る。天気予報ではあすの朝は雨が降る、と言っていた。空を見上げると雲に隠れて折角の星の輝きも届かずにいる。
「こんなのが特攻隊長向井拓海の成れの果てだなんて、お笑い種だぜ」
誰よりも強い自信があった。でも今の自分は誰よりも弱いと言われても仕方が無かった。
「どうしちまったんだろうな、アタシ」
ここにいてもネガティブな考えはなくならないだろう。せめて明日は晴れてくれよな。と心の中で小さくお祈りをしてホテルへと戻った。
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