過去ログ - 【咲-Saki-】京太郎「みやながけ」咲「重力には負けないもん!」
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124: ◆Y.lj54HWGU[sage saga]
2017/06/26(月) 22:36:22.97 ID:6UCA7TuPo

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 「お召し物を用意しました」

 「わ、わざわざすみません。

  って和服ですか?」

 「ごめんなさいね。

  私たちのお父様やお爺様用の服しかないの。

  その、京太郎くんの背丈に合わないから和服で我慢してくれますか?」

 「あ、はい。

  用意してくれるだけで嬉しいですよ」


 そもそも攫わないでください……という心の声は封殺されている。

 もはや達観している京太郎は霞の用意した和服に着替える。


 「ふふっ、似合ってますよ」

 「か、からかわないでくださいっ!」

 「背が大きいととても似合うわ。

  自信を持ってくださいね」

 「あ、ははは……」


 思わず照れて苦笑いで誤魔化す。

 状況を考えなければ霞は京太郎からすれば手が届かないほどの高嶺の花だ。

 身近に原村和という美少女がいるとはいえーーあれは綺麗な薔薇には棘がある部類であるーー思わず目を奪われる。

 そんな彼女が自分に和服を羽織らせてくれて襟元を正してくれるのだ。

 男の子心を擽ぐる女性特有の匂いが京太郎を刺激する。

 どうしてこうも女の子はいい匂いがするのだろうか。


 正直清澄麻雀部の部室も女性特有の匂いに包まれていて居心地が悪かったりする。

 霞から漂う香りにも思わず顔を赤くしてしまった。


 「ほら、逃げないでくださいな」

 「な、ちょっ」

 「お顔を拭かせていただきますね」

 「じ、自分でできますよっ」

 「こちらは無茶を言っている側ですから、お客様はじっとしていてくださいね」


 まるで姉のように自分に接してくれる霞に照れを隠せない。

 もともと京太郎は誰かの面倒を見る方が性に合うたちだ。

 待っていればなんでもしてくれる状態は非常に居心地が悪いが、女性の手を振り払うこともできずに困り果てるのみだった。



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