過去ログ - 【咲-Saki-】京太郎「みやながけ」咲「重力には負けないもん!」
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486: ◆Y.lj54HWGU[sage saga]
2017/10/04(水) 23:43:45.48 ID:l9zbdQtmo

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 「ホント、悪いな和。

  俺がこんなことしてなければ……」

 「今更言いっこなしですよ。

  その代わり、次からはもうやめてくださいね」

 「あ、ああ……」


 がくりと項垂れながら尻に敷かれている。

 京太郎はいつも和には頭が上がらない。

 相手が咲や優希ならば強気に出れるし、なんと言われても飄々としているのだが和には弱いのだ。


 「(……和、怒ってるってわけじゃなさそうだけど)」


 怒っているというよりは呆れている、あるいは気にしていないのか。

 一緒にいてギスギスするといった雰囲気ではない。

 しかし、祝われる側の和に片付けをさせているという事実は京太郎の心に重石を乗せる。


 「(ちょっといいとこ見せたかったんだけどなー)」


 和にいいところを見せたかった一面が弱味になっている。

 京太郎は和に好意を持っている。それはおそらく、異性としての感情だ。

 しかしそれを伝えられていないし、伝えたとしても答えてもらえると思っていない。

 むしろ麻雀部としての絶妙な距離感すらなくなり、せっかくの和の居場所を奪ってしまいそうだ。

 だからこそ京太郎はこの想いを隠しておく、そのつもりだった。


 「須賀くん、須賀くん?」

 「あっ、やべっ」

 「少し疲れているんじゃないですか?

  全くもう、一人でやろうとするからーー」

 「(そうじゃないんだけどなァ)」


 無防備に近づいてくる和に心が揺らぐ。

 このまま彼女を抱きしめてしまえば、どれだけ柔らかいだろうか。

 ふわりと流れてくる彼女の匂いが鼻腔を刺激する。


 「(な、何考えてんだ。俺)」


 男子高校生としては正常な反応であっても、和がそういった感情を毛嫌いしているのは知っている。

 知っている、といっても彼女が数多の告白者を粉砕しているという事実からの推測なのだが。



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