過去ログ - 【咲-Saki-】京太郎「みやながけ」咲「重力には負けないもん!」
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74: ◆Y.lj54HWGU[sage saga]
2017/06/12(月) 20:01:23.28 ID:UN6jlovNo

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 【クロチャーの1日】-重力次元-


 今日も今日とて松実玄は京太郎のために奔走する。

 松実玄はいわゆる『重い女の子』である。

 そして、意外なことだが玄はこの事実を自覚しているのだ。

 阿知賀の時、みんなが帰ってくることを祈って部屋掃除を続けていた時もそうだ。

 自分が少し常識から外れていることを自覚しながら、一般人に混じって行動を繰り返すのが玄だった。


 ーーだからこそ、玄は京太郎に惹かれたのである。




 初めて会った時はサークルの新歓。

 新入生に絡まれている自分を助けてくれたのがキッカケだった。

 京太郎からしてみればやりすぎのクラスメイトを窘めた程度だったのだが、玄はとても印象に残った。


 「松実玄さん! 俺と付き合ってください!」

 「は、はわわわわ……。

  あ、あの、ごめんなさいっ」


 玄は別に男性が苦手というわけではない。

 しかし、いざ『おつきあい』の告白を受けるといつも断っていた。

 玄は見かけも良いし、性格も良い。派手ではないが男性のファンは非常に多かった。

 そのファンたちが真摯な心で玄に告白しても、玄はどうしても答えることができなかった。


 「(親しくなって、嫌われたら怖い)」


 玄は親しい人を失うことを何より恐れている。

 それは幼心に母親を失ったトラウマだったり、阿知賀時代の麻雀クラブの話だったりする。


 自分と付き合ったとして、自分の重い部分を受け止めてもらえなかったら

 そして、何よりもーー


 「先に死なれたら嫌だもんね……」


 ーーやっぱり重かった!


 玄の中では『お付き合い=結婚=同じ墓に入る』の図式が成り立っている。

 自分から誰かを好きになったとして、離れていかれるのが嫌だった。

 だからこそ、一定以上に男の人と関わることはせず、告白を受け入れることはなかったのだ。



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