過去ログ - 【咲-Saki-】京太郎「みやながけ」咲「重力には負けないもん！」
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794: ◆Y.lj54HWGU[sage saga]
2018/01/08(月) 21:31:07.55 ID:rCAKVGIeo

　4/10

　……
　…

　「んで、どーした？」

　「多分淡は甘やかして貰えなかったんだと思うよ」

　「へ？」


　外に出るとネリーはいきなり言い切った。

　普段あまり他人に関わろうとしないネリーも、淡のことはよく見ているのだろうか？


　「兼業プロになって、大人扱いされてるんじゃないかな」

　「ああ、一応お金を稼いでいるから社会人だしね」

　「うん。そうなると他人からの目線も変わる」

　「ああ……」


　最近の淡とネリーは大学に進みながら兼業で準プロ活動をしている。

　先に世界でお金を稼いでいるネリーに負けたくないからか、最近は淡も活発だ。

　しかし、どこか気分が落ち込んでいるのを見たことがある。


　「淡は甘やかしてもらってそうだからなァ」

　「うん。だから身内の態度が普段と違って寂しかったんじゃないかな」


　大人になるにつれて変わらないものなんてない。

　まだ”子供”に甘んじている京太郎には難しい話だが、淡は社会人としての一歩も進んでいる。

　両親や親戚からの扱いが変わってしまったことが悲しかったのだろう。


　「ネリーはよく気づいたな」

　「ネリーは甘やかしてもらったことなんてないからね。

　　“オトシダマ”だって知らないし」

　「ああ、そっか」


　失礼なことを聞いてしまったと反省する。

　いつも一緒にダラダラしていたり、素直になれない子供っぽい一面を見せるネリーだがその境遇は過酷だ。

　普段当たり前のように接しているとつい忘れてしまう。


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