過去ログ - 夢野「強くてニューゲーム……って、ウチなのか?」ch.2-3『ダンガンロンパV3』
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209:名無しNIPPER
2017/06/06(火) 18:38:42.61 ID:pYjSAUe/0

「修ちゃん! 瞳さん!」
「また例の、矢を撃つ
プレイヤー!?」

「あ、ああ! 向こうの
ほうから矢が――」
修平がそう言うなり、
悠奈が森の奥に銃を向ける。

だが狙撃者からの、
第二の矢は飛んで
来なかった。

それらしき足音が、
森の向こうへ遠ざかって
行くのがわかる。
すべてはほんの寸時の
出来事だった。

襲撃が止んだのを確認し、
修平は瞳に視線を戻す。
「瞳、大丈夫か!?」

すると瞳が、かすかに嬉しそうに言う。
「お、お気遣いのお言葉、ありがとうございます……!」
「ですが、主を庇って傷を追うのは、従者の誉れ……
修平様は私の、理想の主なのですから……」

「お、俺のどこが理想の主だっていうんだ!?」
「ご謙遜は、お止め下さい……修平様は悪の組織と
渡り合うに足る、頭脳と行動力を持った御方のはずです……」

「は……?」

「修平様、この世は悪に満ちています……その悪を倒すには、
修平様のようなご主人様が必要なのです……」
「そして、メイドの私は……そんなご主人様の手足となり、
ご主人様をお守りする……それが務めなのでございます……」

「っ……!」
おそらく修平も、矢で狙われたのが琴美だったとしたら、
同じように命を投げ出してでも救っていただろう。
そして琴美を守るためなら、自分は人さえ殺せるに違いない。

琴美がそれを望まない事はわかっていても、
もしそれ以外に琴美を救う方法が無かったのだとしたら、確実に――。
修平には、瞳の言うことはよく理解できない。
悪の組織と渡り合うと言われても、何のことだかわからない。
だが瞳の妄信的なまでの『ご主人様』への執着は、
修平自身が抱えている、琴美に対するそれによく似ている気がした。

「ですから、どうぞお気遣いなく……
この傷も、すぐに癒えますので……」

「……瞳……」
修平の口から、彼女の名が漏れる。

だが彼はそれ以上何も言えず、ただ彼女の目に
映る自分の顔を、じっと見つめていた。


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