過去ログ - 十時愛梨「いつもの特訓」
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2:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/11(日) 21:40:04.97 ID:vxDSk+pvO
 パタン、と閉まった扉の鍵を後ろ手に閉じて。

 それからパタパタ。まっすぐプロデューサーさんのほうへ向けて進みながら話す私と、プロデューサーさんも同じようにまっすぐ私へ視線を向けながら言葉を返してきてくれる。

 その視線と、その優しく微笑む温かい表情と、その私を気持ちよく震わせてくれる柔らかくて大好きな声と……そんなプロデューサーさんに、ドキドキと。ふわふわ、ぴりぴり、いろんな幸せの高鳴りを感じながら進んで。プロデューサーさんの傍、私のプロデューサーさんの隣まで歩いて進む。


「……」


 ここまで手に持ってきていたものはバッグだけ。それも今はソファの上。歩いて進みながら部屋の真ん中にあるそれの上へぽてんと置いてしまったから、もう私には何もない。

 今の私が持って……身に付けているのは、薄い服の一枚だけ。

 事務所の中の皆が使えるロッカー。他のものはそこに……羽織ってきたもの、重ねてきたものは全部入れて置いてきた。だからもう、今の私にあるのは薄い服の一枚だけ。

 今はまだ……きっと、まだ大丈夫。だけどもしほんの少しでも濡れたりしたらすぐに透けてしまうような、間に挟んでいても触れたものの感触や温かさがしっかり全部伝わってきて感じられてしまうような、そんな薄い服を一枚。それだけを上に着て、その格好で隣……プロデューサーさんのすぐ傍、目の前に添って立つ。


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