過去ログ - 【艦これ】イ級(故郷の……に……帰りたい……)【安価とコンマ有り】
1- 20
771: ◆r3J8wr8gzWTW[saga]
2017/07/03(月) 21:43:54.18 ID:6+o+vWRh0
提督「さて、積もる話しもあると思う。質問があれば、答えられる範囲で答えるが……」

防空棲姫「じゃあ、質問するわね。何故、私達を受け入れる気になったのかしら?」

防空棲姫「あなた達は、私達の事を害獣かなにかだと思っていると聞いたけど……」

提督「ふむ……。誰から聞いたかはしらないが、その認識は間違っていると最初に言っておこう」

提督「大本営に直接問い合わせたんだ、深海棲艦とはなんぞや? とね」

提督「君らは負の意識の塊、というのがこちらの分析結果だが……。負の意思というと憎悪等を想像してしまいがちだが……」

提督「未練、と言いかえるとどうか、と。言われてね」

防空棲姫「つまり……?」

提督「故郷の地を今一度踏みたかったというのは立派な未練だろう。そして、過去にも君と同じような子を受け入れた事例があった」

提督「何も、全てを悪として、攻撃しているわけでは無いのだよ。現に今回の件は大本営も了承済みだ」

提督「もっとも……、攻撃的な個体も多い上、いちいち話しかけていては命がいくつあっても足りないから、先制攻撃を行っているのは事実だがね」

提督「時間をかけてでも、ゆっくりと、君らの未練をなくして行き、鎮める事が仕事なのだよ」

防空棲姫「私は……、今後どうなるのかしら?」

提督「今後、か」

ピシリと、ガラスがヒビ割れるような音が執務室に響き渡る。

提督「故郷の地を、思う存分たのしめばいい。街に繰り出してもいい、ここの艦娘達と話したり遊んだりしてもいい」

防空棲姫「今の音は……?」

提督「気づかない……か。右手を見てみるといい」

君が言われるままに右手に視線を移すと、そこには、大きな亀裂が入っている。

防空棲姫「これは……何……?」

提督「君の核になっているのは、帰りたいという未練だ。それが果たされた今……」

防空棲姫「私が居る理由が無くなる……?」

提督「以前の事例では……、受け入れた深海棲艦は、数日後には一握りの塩の塊になってしまったそうだ」

提督「君が塩の塊になってしまっても、君の仲間たちを無下にはしない。それぞれに聞き取りを行い、その願いを聞き……、送ろうと思う」

防空棲姫「……。お願いします……」

提督「……最後にこちらから一つ質問だ。君たちの背後を少々離れてついてきた艦隊は、君たちの知り合いか?」

防空棲姫「え?」

君には全く心当たりが無い。

提督「いや……聞くまでも無い、な」

提督が窓の外に視線を向け、君もそちらを向く。

海が……、遠くから赤く変色していくのが見えた。

提督「さて、私は艦隊の指揮を取らなければいけない」

提督「君はゆっくりお茶でも飲んでいるといい。これを持って食堂に行けば、甘いものを出してくれる」

提督は君に間宮と書かれた紙片を手渡し、もう一度海に向き直る。

「赤い海を観測、鎮守府近海まで迫っています!」

無線機から、声が響いてくる。

「深海棲艦の発生を確認、近すぎます!」

「敵機接近!」



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/268.51 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice