170:名無しNIPPER[saga]
2017/09/23(土) 09:48:24.23 ID:sxjls/bm0
【きっかけ】
頭にはりついたまま、剥がすこと、動かすことのできないものがある。
それまで好きだったものが、ふとしたことをきっかけに怖くなってしまった。
ふとした、と言うと真実ではないかもしれない。
……でも、露呈してしまったものを取り繕う手段を、かつての自分は持ち合わせてはいなかった。
──予兆、もしくは前兆。
それはあったのかもしれない。とっくの昔に気付いていたのかもしれない。
あえて見なかったのかもしれない。隠して、必死に糊塗していたのかもしれない。
結局のところ自分の本質はこうなのだろう、とは薄々理解していた。
誰かに指摘された悪癖も、何一つとして定まらない気持ちも、他のことも、わかっているつもりではいた。
けれど、それらを一度でも認めてしまったら、何もかもを失ってしまう気がして、ひたすらに何度も拒もうとした。
いくつもの感情が混じり合ったような、そういう狭間に、私はずっと取り残されていた。
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